話せば長くなるし、ぐちゃぐちゃうじうじしています。読むのは時間の無駄になってしまうかも・・・
カンタンに言いますと、やっぱ旧姓で生きてきたほうが長い分、旧姓の方が気づいてくれる人が多いから
です。
「毛利」は新姓・「梶田」は旧姓です。
一番初めに「もうりかおり」の名前で仕事をしていくことに悩んだのは、この仕事をはじめる8年前。
結婚した女の人がよく、苗字が変わることによって過去の人生が消えたように感じるという。まさしく私も同じように感じていた。
たとえばラジオで「もうりかおりです」と言っても小さな頃の近所のおばちゃんや学校の同級生は、それがかつての私「かじたかおり」だということにはきっとほとんど気づかない。テレビで顔を出すなら、あれ?この顔って・・・で「もうりかおり」とでも字幕スーパーが出れば、それでやっと【香織】の漢字が同じだからやっぱ梶田香織か、って気づいてもらえる。
特に私は声に特徴があるらしい。テレビでもラジオでも、「あれ?この声!?」って思って気をつけて見聞きしていても【毛利】と出た瞬間に"私ではない"つまり梶田香織ではないことに確信を持つらしい。これは仕事を始めてからも実際に昔の友人何人にも言われたことだった。
仕事を始める前からこうなることは予想できていたけど実際にそうなるとやっぱり悲しかった。結婚前に出会った人のほとんどに、もう自分の存在に気づいてもらえない、まさに過去の【かじたかおりは消えちゃったんだ】と思った。
でもそうかといって仕事を始めたのは結婚後のこと。なぜ今更旧姓に?と言われそうで言い出す勇気が無く、毛利で始めてしまった。
仕事を始めてみたら私はナレーションという声だけの仕事が多かった。だから名前が電波から流れることはほとんど無かった。あったとしてもそれほど回数多くなく、そのたびにやっぱり襲ってくる上に書いたような疎外感というか被害妄想的な考えは、カンタンに自分でなぐさめて打ち消すことができていた。
それよりも数多くいただけるナレーションという声だけの仕事がとっても大好きになっていたし、名前の心配をすることがないことも気に入っていた。
でも3年くらいすると仕事の内容はだんだんと変わっていった。ラジオでしゃべったり、テレビのリポーターをやらせてもらったり、ナレーションだけでも字幕スーパーで名前を出していただけるような仕事もたまぁ〜にあった。そのたびに隠れていた気持ちがまたモコモコと大きくなってきたのだ。
だからといって言い出せないしきっかけもない。単発的な仕事が多くてたとえばちょうど春からよ〜いドン!という仕事上の区切りもあまりなかった。
それに今度はそれこそもう「毛利」で仕事をはじめちゃっていたのだから、言い出すと「なんで最初からそうしなかったんだ!」という話にきっとなる。「なんでなんで?何があったの?」と質問にもこんなわけのわからないような理由を説明していかなくちゃいけない。。。大変だからやめとこぉ、まぁいいや、今のままで。
そう思うようにしていたし、考えると暗くなるからずっと考えないように努力してきた。
そして、この春。久しぶりに仕事で大きな変化があった。しばらくそれほど仕事上では大きな変化はなかったのが、この春は3〜4年ぶりくらいに動いた。春からせ〜の!と区切りよく始まるものが出てきたのだ。しかもどっちも名前が出る。
・・・・・・気持ちがざわざわしてきたのがとてもよくわかった。常に、なんだかわからないけどどうしよう、って思うようになった。いつもソワソワ何か気になるようになった。結局ソレは名前のことだったのだ。
名前を変えるなんて言い出せば大変なことはわかってるジャン!って今回もこの気持ちは打ち消してしまおうと思った。でもこの気持ちの状態を引きずっていることがかなり自分にとって悪影響だと気づき始めた。
笑顔が消えていくのだ。いつも何か心にひっかかってるから笑顔が減っていく。もちろん誰かと話したりするときは笑えているんだけど、加齢によるほっぺの筋肉の弱り具合も手伝って、どうも普通の顔が不機嫌ぽくなるのだ。鏡を見ると「なにそのぶさいくな顔!!」と自分にまた不愉快になる。
「これは良くない!」と真剣に思い始め、勇気を出して改名を決心したのだった。
年をとるっていうのはありがたいことだ。前に悩んでいたのは30前。30歳を過ぎた今はちょっと強く図々しく、開き直ることを覚えたらしい。名前を変えよう!と決心してからはもうすごい勢い。それによって迷惑をおかけしてしまう人もいるのにもかかわらず、【どうしてもまずは自分が大事なの】と押してしまった。
ご迷惑をおかけしてしまう方、なんて呼べばいいんだ!と戸惑う方、ごめんなさい。
でも芸名が変わるだけで本名が変わるわけではないので今までどおり毛利で呼んでいただければ結構です。
名前を呼びにくいから、しゃべりかけようと思ったけど、まあいいや。っていうことって絶対ありますよね。でもそんなに悲しいことになるくらいなら無理して梶田じゃなくて、「毛利」ってしゃべりかけてくださったほうがうれしいです。
あ〜あ、長くなっちゃった。でもこれを口で説明するほうがもーっと大変だったと思うので、書いてみてよかった。最後まで読んでくださった方、こんなぐちゃぐちゃうじうじしたことに大切な時間を費やすことになってしまってすみませんでした。ありがとうございました。
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